先月、日本経済新聞が興味深い記事を掲載しました。「大学全入時代」と言われる今、浪人生が増えているという内容です。
具体的な数字を見てみます。2026年1月の大学入学共通テストを受験した既卒生、いわゆる浪人生は7万1310人で、前年より約6300人増えました。中でも目を引くのが、2浪にあたる前々年度卒業者です。前年の8633人から1万2516人へと、およそ1.45倍に増加しました。浪人生の増加は7年ぶりのことだそうです。
ここ疑問が生じます。私立大学の約半数が定員割れを起こしている「大学全入時代」に、なぜ浪人が増えるのか。どこかの大学には入れるはずなのに、もう1年やり直す生徒がこれほど増えているのはなぜか。
理由の一つは、入試制度の変化です。総合型選抜や学校推薦型選抜が拡大した結果、一般選抜の枠が縮小しています。学力試験で合否が決まる一般選抜による入学者の割合は、2000年度の65.8%から2025年度には46.3%まで下がり、ついに半数を割り込みました。
定員100人の学部で、推薦や内部進学の枠が30人から60人に増えれば、一般入試で戦える席は40人しか残りません。当然、倍率は上がり、難易度も上昇します。
もう一つは、私立大学の定員厳格化です。一時より定員厳格化は緩和されましたが、都市部の大学が定員を大幅に超えて合格者を出すことが難しくなり、かつてのように「滑り止め」が滑り止めとして機能しにくくなる状況に変わりありません。
安全圏だと思っていた大学に不合格になるケースが増えているのです。
つまり、「大学に入ること」自体は容易になっても、「自分が納得して通える大学に入ること」は、以前より難しくなっているということです。全入時代という言葉の印象とは裏腹に、受験生の負担はむしろ重くなっています。
ただ、制度の変化だけがすべてではないと感じています。
第一志望でなくても通ってよいと思える大学に合格できず、浪人を選ぶ。その背景には、高校3年間で積み上げられた学力そのものが、以前より不足しているという要因もあるのではないでしょうか。
栃木県をはじめとする地方の高校の大学合格実績は、じりじりと下がり続けています。制度が厳しくなったことに加えて、それに立ち向かう側の準備が追いついていない。この二つが重なっているように見えます。
では、その準備はいつから始まるのか。
高校受験は、基礎に多少の穴があっても合格できてしまいます。そのため、自分が思っているほど学力がついていない状態のまま高校生になり、そのことに気づかないまま2年、3年と過ぎていく。この構造が、最も大きな原因ではないかと考えています。
中学生のうちは、大学受験はまだ遠い先の話に思えます。しかし、その遠い先の結果を左右する土台は、まさに今つくられています。今回のニュースは、その事実を改めて突きつけているように思います。
那須塩原市西那須野 本松学習塾 塾長のブログ
今の勉強法で伸びない理由を、短時間で整理します

