勉強しようと机に向かう。しかしなかなか手がつかない。
気づけば30分、1時間、2時間と経っている。こうした経験は、子どもだけでなく大人にもあるのではないでしょうか。
この「取り掛かれない」現象の原因は一つではありません。やらなければと頭ではわかっていても、内容そのものが重く感じられて先送りしてしまうこともあります。
ただ、見落とされがちな原因がもう一つあります。それは、「何をやるかを今この瞬間に考えること自体が、面倒くさい」というものです。
机に座ってから「さて今日は何をやろうか」と考え始めると、教科を選び、単元を選び、どのテキストのどの範囲をやるかを決めなければなりません。
この決定作業は、本人の意識ではちょっとした手間に見えますが、実際には大きな心理的負荷です。
そして人間は、こうした負荷を前にすると無意識に回避行動を取ります。スマホを触る、部屋を片付け始める、何かを食べる。「何をやるか」を決める前に、決めなくてもよい行動の方に流れてしまうのです。
この問題を解消する方法はシンプルです。「その日にやるべき勉強内容」を、前日のうちに具体的に決めておく。これだけです。
前日の段階で「明日は英語の単語帳を○ページから○ページまで、数学のワークの○章を○問」と紙に書き出しておく。翌日、机に座ったらその紙を見て、書いてある通りに始める。「何をやるか」を考える必要がないので、取り掛かりまでの心理的ハードルが大きく下がります。
そして、できた項目に線を引いて消し込んでいく。
やれなかった項目は、その日のリストから翌日のリストへ書き写していく。
地味な作業ですが、タスク項目が消えていくのは、続けているうちに本当に快感になっていきます。これはきれいごとではなく、実際にそうなっていきます。
1ヶ月単位の長期計画を立てることも大切ですが、それと同じくらい、いやそれ以上に「明日1日分のやることを前日に決めておく」という細かい作業が、勉強を継続する上では効いてきます。
長期計画は方向性を示すためのもの、前日決定は今日の行動を実際に起こすためのものであり、両者の役割は異なります。どちらか一方だけでは足りません。
この習慣の本当の価値は、計画的に勉強を進めることにとどまりません。むしろ本質は、勉強という「やりたくない作業」に少しでもスムーズに入るための「儀式」をつくることにあります。
やりたくないのが当たり前の作業に取り掛かるとき、人はちょっとした準備や手順があった方が動きやすい。これは大人の仕事の段取りでも同じことが言えます。
怠け者であるという自覚がある人ほど、こうした小さな工夫を軽視してはいけません。気合いや根性で毎日机に向かえる人は、こんな工夫がなくても始められます。
しかし多くの人はそうではない。だからこそ、自分が動きやすくなる仕掛けを丁寧に用意しておくことに意味があるのです。
最初のうちは前日決定そのものが手間に感じるかもしれませんが、続けていれば必ず身体に馴染んでいきます。
那須塩原市西那須野にある高校受験・大学受験塾 本松学習塾

