大手塾・個別指導塾・個人塾、それぞれの「構造」を知っていますか?

· 塾長の指導観・雑感

那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ

個人塾と大手塾、個別指導塾。どれを選ぶかで子どもの学力は大きく変わります。
今回は、それぞれの塾の構造的な違いをお伝えします。
 

■大手塾の「システム」という限界
大手塾の強みはシステム化です。どの教室でも一定の品質が担保される。これは安心材料になります。
 

しかし、このシステム化が足かせになる場面があります。
 

たとえば、英語が極端に苦手で数学は得意な生徒がいたとします。本来なら英語に時間を集中投下すべき状況です。

 

ところが大手塾では「数学90分、英語90分」と機械的に時間配分されることが多い。システムが優先され、目の前の生徒の状況は後回しになりがちです。
 

科目ごとに担当講師が異なるため、「この生徒は英語に全振りすべきだ」という判断を下せる人間がいないのです。
 

当塾の個別演習形式だと、この生徒は数学が苦手なので長めにするなどの対応が可能です。

 

■1対1、1対2の個別指導塾の盲点
では少人数の個別指導塾はどうでしょうか。苦手科目に時間をかけられる、と期待する保護者も多いはずです。
 

ここで見落とされがちな点があります。
 

少人数個別指導の現場では、時間給のアルバイト講師が指導の中心です。研修が十分でない塾も少なくありません。長期的な視点に立った指導は期待しにくい構造です。
 

もう一つ、構造的な問題があります。
 

授業では、講師が解説した後、生徒が自力で演習する時間が必要です。生徒が集中して考えるために、講師は黙っていなければなりません。
 

1対1や1対2の指導で、この演習時間に講師は何をしているのか。正直なところ、指導とは無関係なことをしているか、ただ時間が過ぎるのを待っているだけ、というケースが多いのではないでしょうか。
 

■個人塾の強みと覚悟
当塾は個人塾です。アシスタントに手伝ってはもらっていますが、基本的に塾長の指導がメインになります。
 

科目ごとの細かいカリキュラムはありません。指導は完全に私の個人技です。
 

生徒の学力、性格、癖、学校の進度、志望校。これらを踏まえて個別に指示を出します。カリキュラムより目の前の生徒が優先です。
 

科目間のバランスを俯瞰しながら指導できる。これは個人塾ならではの強みです。
 

■個人塾を選ぶべきでない保護者
ただし、個人塾にはデメリットもあります。
 

まず、塾長との相性が合わない場合。これは致命的です。講師の変更はできません。合わなければ退塾するしかない。だからこそ体験授業で相性を見極めることが重要です。
 

次に、自己研鑽を怠っている塾長の場合。個人塾は独りよがりに陥るリスクがあります。進学実績や成績アップの事例など、客観的データで判断してください。
 

そして、消費者意識の強い保護者には個人塾をお勧めしません。
 

個人塾に通わせるということは、塾長と師弟関係を結ぶということです。少なくとも私はそう考えて指導しています。
 

お金を払っているのだから要求に応えて当然、という姿勢では成果は出ません。
 

成績が上がらない原因の一つに、家庭の学習環境があります。スマホを与え、ゲームや動画は見放題。塾の宿題もやってこない。

 

このような状況では、どんな指導をしても成績アップは困難です。
 

当塾では保護者面談で環境改善をお願いすることもあります。
 

成績アップへの協力はしない、でも月謝を払っているのだから結果を出せ。そうお考えなら、残念ながら当塾は向いていません。
 

塾選びは、システムを買うのか、人を選ぶのか、という問いでもあります。