受験された皆さん、お疲れさまでした。保護者の皆さまも長い一日だったと思います。全科目に目を通した雑感をまとめます。
近年の栃木県立高校入試の特徴である「知っているか」ではなく「使えるか」。
全科目に共通するメッセージです。
知識は土台として必要ですが、それを条件や資料に合わせて運用できるかで点差がつく作りでした。
国語
論説文(美術館と公共性)は、対立する意見を整理して筆者の着地点を追えるかが勝負。読解が得意な子ほど雰囲気で流して根拠が甘くなる出題です。
小説(和菓子職人)は出来事→反応→変化の順で心情を説明する力、資料読解はグラフから「だから何を提案するか」まで求められました。「センス」より「型」がものを言う構成です。
数学
前半の小問は例年通り。後半が本丸で、フローチャート型(操作をxで表す)、証明(性質を選んでつなぐ)、箱ひげ図(中央値で語れるか)。共通して「なぜその式か」を言えるかどうかが点数を分けました。
栃木県伝統の出題である規則性がなくなったことが大きな変化です。規則性は数的思考力を測るのに適切な出題でしたが、配点が大きすぎることに例年疑問に思っていました。傾向変化は納得です。
平行四辺形であることを証明するというのは私が記憶する限り、ここ十数年の間で出題例がありません。とはいえ、誘導がたくさん付いていたので、証明は容易ですが。
英語
「訳す教科」から「情報処理の教科」へ。共通テストと同じ傾向変化です。
掲示物や予定表は、根拠を持って選べるかが勝負。
英作文はALTへのスピーチで、何を・どの順で書くかという設計力が問われました。
長文も段落の役割を掴む読み方が鍵です。
理科
例年通り暗記で押し切ることが難しい出題です。化学は質量変化の原因を因果で説明、気象はデータ表と天気の推移を結びつける、物理は力の見取り図を描けるか。「現象を図や言葉で整理する習慣」の有無で明暗が分かれます。
社会
資料活用の色がとくに濃い年でした。特に地理は地形図・統計を根拠として使えるかが直接点に。歴史は因果関係と問う問題が多く出題。
公民は需給の図を会話形式で説明させるなど、知識の運用力が必要でした。
高校に向けて
今年の入試が測ったのは「学び方」そのものです。条件整理、根拠の提示、理由の言語化。高校ではこの力がさらに求められます。
本松学習塾では、こうした型を中学のうちから授業に組み込んでいます。今日の出来がどうであれ、「どこで失点したか」を一度丁寧に振り返れる人は、高校で確実に伸びます。入試はゴールではなく、ここからが本番です。

