那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ
先日、当塾から英検準1級の合格者が出ました。当塾での準1級の合格は過去2名に続く3人目です。
けれど本当にお伝えしたいのは、合格そのものではなく「そこに至る道筋」です。
彼女は中学2年の途中、大手塾がしっくりこずに転塾してきました。
入塾当初は英語が飛び抜けて得意ではなく、むしろ平均的。ここからどう変わったのか。
まず、入試の地図が変わっています。大学受験で早慶MARCH以上を現実に狙うなら、準1級は“あったら有利”ではなく“入場券”に近い。
しかも昨年度から要約問題が追加され、採点も渋く、なかなか英作文での高得点は難しくなっています。
だからといって英検の問題集だけを回すと、早い段階で伸びが頭打ちになります。器(試験)に合わせて形を変えるより、水そのもの(英語力)を増やすほうが速いからです。
当塾がやったことは単純です。語彙・文法・精読・音読。これを“毎日の習慣”に落とし込みました。
語彙は先手必勝。高2の夏には英検2級レベルの語彙は完全に暗記してもらいました。
文法は「解けた理由」を口で説明する。精読は、一文の文構造を丁寧に分析。音読は、スラスラ意味が理解できるほど繰り返す。
どれも地味ですが、地味な作業ほど裏切りません。
要約対策は特別なテンプレートを使いませんでした。段落ごとに「何を、誰が、どう主張しているか」を日本語で一行に絞り、その関係(並列か、原因と結果か、対立か)に印をつけ、最後に英文へ戻す。この“削る力”がつくと、他の設問も連鎖的に安定します。
英語の土台をおろそかにし、英検対策だけの時間を増やすと、伸びが頭打ちになります。
逆に土台を厚くしたうえで、試験直前だけ英検対策に時間を使う。結果として英語力・英検対策・入試対策が同時に進みます。
準1級の“合格”は結果論です。本体は、毎日の小さな積み重ねを切らさない仕組みづくり。家庭と塾が見るべきポイントをそろえたとき、合格は自然に追いついてきます。