那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ
塾長として日々生徒たちを観察していると、「勉強ができる子」と「そうでない子」との違いは、意外なところに現れるものだと痛感します。
たとえば、成績上位層の生徒は、机の上に置かれた教科書、ノート、筆箱といった道具の配置が自然と整っています。
決して物が少ないわけではないのに、必要なものが必要な場所にあり、無駄がありません。
ノートを右、テキストを左といった合理的な配置に始まり、使わない教材は脇にそっと避け、手元には今集中すべき物だけが置かれている。
その姿は、まるで料理人が手際よく調理器具を並べる様子を思わせます。
対照的に、成績が伸び悩む生徒の机の上はどうでしょうか。教材が無造作に重なり合い、テキストや筆箱が机から半分はみ出し、必要なものを探すのにも一苦労――その結果、集中力も続かず、思考の流れがすぐに遮られてしまうのです。
さらには、
厚い教材を無理矢理二つ折りにして曲げて置く、
使わないテキストを高く積み上げて“タワー”を作る、
その上にもたれかけるように今使う教材を置く、という荒技(?)に走る子もいます。
こうした違いは、決して性格の問題だけではありません。「机の上の配置」は、そのまま「頭の中の整理」の反映でもあります。
机上が混乱していれば、思考もまた散漫になる。逆に、机上が整理されていれば、必要な情報にすぐアクセスでき、思考もスムーズに流れるのです。
このことは、現場で見ていると痛感します。例えば、模試の答案が返却されたとき、きちんと整理されたファイルにスッと答案を綴じている生徒は、間違いの分析も素早い。
一方で、プリントが山積みになったカバンからぐしゃぐしゃの答案を探し出している生徒は、解き直しにすらなかなかたどり着けません。
伝えたいのは、単なる「整理整頓しましょう」という表面的な話ではありません。
机上の配置や道具の扱い方を意識することは、思考と行動の回路を作る訓練でもあるのです。
大人も日常の中で同じ経験をしているはずです。書類が山積みのデスクでは仕事が進まず、必要な資料が整然とファイリングされた環境では思考が澄んでくる――この感覚は、子どもたちにとってもまったく同じです。
ですから、もしお子さまが「なかなか集中できない」「成績が伸び悩んでいる」と感じているなら、一度、机の上やカバンの中、引き出しの中を一緒に見直してみてください。
ただ“きれいにする”のではなく、「今の自分にとって本当に必要なものは何か」「どこに置けば最も使いやすいか」という“配置のロジック”を一緒に考える――この体験こそが、学びの基盤を作る新しい一歩となるはずです。