那須塩原市西那須野の高校受験・大学受験塾 本松学習塾塾長のブログ
お子様が「あと少し勉強を増やせば点数が上がるはず」と信じている姿に、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際のところ「2割程度の勉強量の増加」では、成績はあまり伸びません。真の学力向上には、根本的に大幅な学習時間の確保が求められます。この差が生まれる理由は、大きく分けて2つあります。
一つ目の理由は、「2割増しのつもりが実はそれほど増えていない」という自己認識のズレです。
例えば、毎日10分程度追加したとしても、実際に集中できている時間はほんのわずかだったりします。
「やっているつもり」が先行し、効果が実感できないこともあるのです。
二つ目の理由は、時間を2割増やしたとしても、その「中身」が今までと変わらなければ、学力向上にはつながりません。
単にペース配分を変えただけでは、問題の解き方や思考法、勉強の組み立てが改善されるわけではないからです。
実際、ある生徒が自習時間を増やしても、それが問題演習に偏っていた場合、解答を覚えることに終始し、応用力は身につきませんでした。
これではテストで初めて見る問題に対応できず、点数が伸び悩むのも無理はありません。
成績を本当に上げるためには、「いつもの自分」とは異なるアプローチを取り入れる必要があります。
例えば、今まで教科書を読むだけだった時間に、アウトプットを重視する取り組みを組み込んでみるのも一案です。
新しい勉強法や問題への取り組み方を試すことで、自分の理解度や考え方が飛躍的に広がります。
これは確かに大変なことですが、目標とする成果を出すためには、こうした「現状を打破する変化」が必要不可欠です。
拙著、「自学力の育て方」(KADOKAWA出版)にも書きましたが、人は「向上したい」と思う一方で、「今のままでいたい」という心理も働く生き物です。
これを「現状維持バイアス」と呼びますが、学習においても同様です。
今の自分のやり方に安心感があるため、新しい勉強法を試すことに抵抗があるのです。しかし、そうした「現状維持」の意識を超えなければ、学力の向上は難しいでしょう。
お子様が成績を大幅に伸ばすには、ただ「少し多めに勉強する」ではなく、今までとは異なる勉強の「組み立て」が求められます。
そのためのサポートとして、具体的な学習計画や新しい学びの方法を提案し、少しずつ「今までと違う学び」に挑戦する勇気を与えていきましょう。